鳥羽水族館、遠足で一度は行った方も多いでしょう。 が、もはやそのころの鳥羽水族館ではありません。 近年、海岸沿いへ移転・拡張してからの新・鳥羽水族館は、それはそれはスケールが違う。 端から端まで水槽を全部見て回ると、1.3キロもあるとか。 ここの特徴は、順路がないこと。 好きな水槽から順番に、好きなように回れる。 これって、ナチュラリストにとっては大切なこと。
そして、自然環境を忠実に再現しているところ。 海の中だけでなく、河川の様子も、陸上の様子も、気象も。 コンピューター制御で、雨が降ってきたり、波が立ったり、風が吹いたり、水が流れたり。 自然の一場面を切取ってきて、我々に見させてくれているような感じ。
ここの売りは、マナティーとジュゴン。
どちらも、草食性のほ乳類です。
特に、ジュゴンは人魚伝説のモデルとして有名です。
あと、カエル。
嫌いな人には耐えられないかもしれませんが、珍しいカエルが多くいます。
エントランスを入っていきなりの「コーラルリーフ・ダイビング」。 水槽の下部に4面ガラス張りのトンネルがあり、底から水槽を眺める感じ。 ノン・ダイバーがダイビングの気分を味わえるつくりになっている。 ここで、一日中ぼーーっとするのもいいかもしれない。 また、このコーナーの別水槽には、タツノオトシゴも展示されている。
そのほかの水槽に関しては。実際に行ったときのお楽しみ。大阪から近鉄特急アーバンライナーで2時間。 名古屋駅に着きます。 そこで名鉄本線に乗換え、金山駅へ。 さらに、名古屋市営地下鉄に乗換え名古屋港駅へ。 関西からのアクセスは、決していいとは言えません。 しかし、そこまでしても行く価値のある水族館といえます。 むらやまは、1年に1回は必ずペンギンを見にでかけます。
いろんな種類の水槽がただたくさん並んでいる水族館と違って、 名古屋港水族館の水槽配置にはちゃんとしたストーリーがあります。 展示テーマは、「南極への旅」。 日本を出発して、日本の海、太平洋の深海、赤道の海、オーストラリア、そして南極の海と、 水槽を順路どおり見ていくと、南極への旅ができるようになっています。 これは、現役を退いた南極観測船「ふじ」が名古屋港に展示されているのと関係があるようです。
エントランスすぐの黒潮大水槽(日本の海)と、サンゴ礁大水槽(赤道の海)のスケールの大きさには圧倒される。 また、サンゴ礁大水槽は、下層から、中層から、水槽の上からと違った角度から眺められるようになっている。 太平洋の深海では、水族館では非常に珍しい「カイロウドウケツ」(結婚式の祝辞で出てくるあれですよ)が展示されている。
また、ここの特徴として、観客参加型水槽が多いこともあげられる。 光の色と魚の見え方、水流と泳ぎ方のような実験型水槽、 実際に生物を手で触れる潮間帯(なみうちぎわ)水槽、 CGを駆使した深海生物の紹介と、深海潜水艦乗船体験など。 おもしろく科学できます。 さらに、VTRや掲示による説明もわかりやすく、楽しみながら勉強できます。
そして、最終ゴールが南極の海のペンギン大水槽。 人工的に雪も降ってくる、南極の環境をそのまま再現した水槽は、 陸上と水中でのペンギンの生態がじっくり観察できるようになっている。 水槽の向い側にはたくさんのベンチがもうけられており、時を忘れてペンギンを眺めているカップルも多数。
館内には、アイマックスシアター(入場無料)もあり、1時間毎に大迫力の映画が上映される。 また、ウミガメの繁殖研究施設、愛知の水産などもある。 ここのミュージアムショップはなかなか充実している。
関空から飛行機で11時間。 赤道を挟んでちょうど正反対にあるのが、ここオーストラリアのシドニーです。 オーストラリアの海にはサメがうじょうじょ。 (犬を海岸線で散歩させるとなんと100万円の罰金! サメは犬の臭いによってくるそうです)。 だからというわけではないのですが、水槽の中に多くのサメが飼われています。 海の中に浮ぶ、超大水槽の中に水中トンネルが2本。 頭上や横をサメがびゅんびゅん。 もしこの水槽が壊れたなら・・・・・と思うと、とても怖い(そんなことはないですが)。
日本の多くの水族館は、我が日本の海に関する展示が少ないのですが、 このシドニー水族館は、オーストラリアの海だけを展示しています。 ですから生物の予備校講師であるむらやまにはうってつけ。 写真・VTRは自由ですから、教材用の写真を撮りまくってきました。
また、日本ではほとんどありませんが、ここは毎日夜間公開をしてくれています。 むらやまがここを訪れたのは、最終のフェリーに乗って夜の7時半すぎ。 するとお客さんはほとんど誰もいない。 水族館1件を自分だけで貸切ったようなものでした。 これは、気分良かった。 自分の好きな水槽の前で思いっきり陣取っても誰も文句を言わないし、誰かに気兼する必要もない。 思う存分写真撮影ができました。 また、従業員はエントランスに2人だけ。 コンパニオンも、説明の学芸員さんもいない。 日本とは全然違うんだなあ、と思いました。